「場から未来を描き出す」に学ぶ、描くことで対話を深めるアプローチ

ケルビー・バードさんの著作「場から未来を描き出す」を読みました。日本におけるグラフィック・ファシリテーションの第一人者である山田夏子さんが監訳されています。この本の中では、対話を深め、場にいる人々をつなぎ、新たな洞察やビジョンを生み出す後押しをする「スクライビング」という手法が登場します。スクライビングとは何か、グラレコではなくグラファシでこそ実現できる場づくりとはどういうものか、この書籍を通して学んだことの一部を紹介します。

著者のケルビー・バードさん

著者のケルビーさんは、アーティストであり、世界的に認められているスクライビングの実践者です。Twitterでアウトプットが公開されていますが、まさにアートですね。空気感や世界観が表現されていて、前に進むのを後押ししてくれるエネルギーを感じます。

スクライビングとは

スクライビングとは、人々が対話している間に、発話者の話の内容や考えを視覚的に表すことです。グラレコもスクライビングのかたちのひとつ。ただし、この書籍で紹介されるスクライビングは、綺麗な絵や話の要約を描くのではなく、場にいる人々をより大きなビジョンへと誘い、行動に結びつける手助けをすることを目的にしています。なので、その場のトーンや雰囲気のようなまだ言語化されていないようなものも感じとり表現していきます。描かれた絵よりも、その場全体で共有される内省こそが目的です。この書籍の中ではこのスクライビングを実践するためのアプローチが語られています。具体的なテクニックではなく、マインドセットのようなものです。

常に自分が開いたままでいるということは、身に付けるべき重要なスキルの一つです。聴きながら、描きながら、常に開いた状態を維持するよう努めなくてはいけないのです。

第2章 開く

壁の前に立ってみたとき、描かれたがっているものは何だろう?何かを描き始める前に、その形をイメージする。もしイメージが湧かないときは、描かないこと。まずは、より深く聴こう。

第5章 信頼

何を描くかは、ある程度は、自分の聴く力を頼りに主観的な基準で選びます。また、データを整理したり精査したりする能力に基づき客観的に選ぶこともあります。さらに、私たちが源とどうつながるかに基づいて、生成的に選ぶ部分もあります。

第5章 見分ける

自分自身を「開いた状態」にして、「深く聴く」そして何を描くかを選ぶ、そのときに大事な「在り方」についての示唆に富んだ内容の本です。テクニックよりも在り方を学びたい方におすすめです。

監訳者の山田夏子さん

株式会社しごと総研の代表者であり、グラフィックファシリテーションの講義を開催されている山田夏子さん(なっちゃん)が監訳されています。わたしもなっちゃんのグラファシセミナーを受講したことがありますが、「場」を対話するための場として生かすことに対する思いがある方で、大好きです。2021年7月になっちゃんの新刊「グラフィックファシリテーションの教科書」が発売されるので予約済です。書籍の帯に山口周さんからのコメントもあってすごい!!!!とワクワクしてます。

グラレコとは

グラレコとはグラフィックレコーディングの略であり、対話や議論の内容をリアルタイムでグラフィックによって可視化していく手法です。 このSNS時代におけるビジュアルの…

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